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DX人材の定義とは?具体的な業種や必要なスキルを解説


ビジネスにおいて、データやデジタルツール活用の重要性が高まっています。競争力の維持・向上や時代の変化に対応するためにも、DXによりデジタルへ対応しなければなりません。しかし、DX推進に必須のDX人材が確保できていない企業も多いようです。


本記事では、DX人材の定義や人材不足の現状、具体的な業種や必要なマインドセット、スキルなどを解説します。DX人材の育成・確保に必要な情報を網羅しているので、社内のDX推進を検討している方は、ぜひお役立てください。



▼目次


1.DX人材とは?

DX人材とは、DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)の推進・実行に必要なスキルやマインドを備えている人材を指します。デジタル技術に関する高い専門性や、プロジェクトを牽引する推進力を持つことが重要です。


そもそもDXとは、データやデジタル技術の活用により、製品やサービス、ビジネスモデルなどを変革することです。近年では、経済産業省からDX推進の手引としてガイドラインも発表されています。


DXに最適な人材を確保することで、ビジネスに変革を起こし、組織の競争力を高めることが可能です。以下では、DX人材の定義や現状を解説します。


1-1.DX人材の定義

一般的にDX人材は、データやデジタル技術をビジネスに活用できる人材のことを指しますが、統一された定義はありません。しかし、経済産業省の「DXレポート2」では、以下のように説明されています。

自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材

つまり、企業ごとの特性に適した方法でDXを推進できる人材ということです。


引用元:DXレポート2|経済産業省


1-2.DX人材不足の現状

DXの推進が求められている昨今ですが、日本ではDX人材が不足しているというデータがあります。2021年7月に総務省が発表した「令和3年版情報通信白書」では、企業のDX化が進まない理由として、人材不足が53.1%で最多でした。また、デジタルツールに精通するDX人材は、2030年には「約45万人」不足する見込みです。そのため、企業ではデジタルツールやデータを扱えるDX人材の育成・確保が重要となっています。


出典:情報通信白書令和3年版|総務省


2.DX人材が担う6つの業種

DX人材が担う6つの業種は以下のとおりです。

  • プロデューサー

  • ビジネスデザイナー

  • UX・UIデザイナー

  • アーキテクト

  • エンジニア・プログラマ

  • データサイエンティスト・AIエンジニア

下記の表は、それぞれの役割をまとめたものです。

業種

主な役割

プロデューサー

・DX推進の主導 ・CDO(最高デジタル責任者)

ビジネスデザイナー

・DXの企画・推進

・関係者との調整


UX・UIデザイナー

・使いやすいプロダクトの設計

・顧客ロイヤルティ向上に寄与する動線作り


アーキテクト

・ITシステムの設計・構築

エンジニア・プログラマ

・DXに必要なシステムの実装・運用

データサイエンティスト

AIエンジニア

・ビッグデータ分析

・データを基にしたプロダクトの改善


各業種の詳しい役割を解説します。


2-1.プロデューサー

プロデューサーはDXプロジェクト全体を統括し、目標達成に向けたプロジェクトマネジメントを担当します。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)では、「DXやデジタルビジネスの実現を主導する リーダー格の人材(CDO含む)」と定義されています。


具体的な業務内容は、プロジェクトの計画・進捗管理やチームのリーダーシップ、関係者との調整業務などです。さまざまな部門とやり取りをするため、多様なスキルや高いコミュニケーション能力が求められます。


このように、DXにおけるプロデューサーは、プロジェクトを指揮する重要な役割を担う職種です。


2-2.ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーとは、「DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材」のことを指します。自社に適したDX施策の考案や実現までのロードマップの作成などを担うのがビジネスデザイナーの役割です。


立ち位置としては、プロデューサーとその他関係者の間に入り、調整業務をしたりミーティングのファシリテーションをしたりします。DXのアイデアはあるものの、実際に現場に落とし込むのは難しいものです。事業推進計画書の作成や新規事業の構築、ビジネスコーチングなどのスキルを持つビジネスデザイナーは、DX推進に欠かせない人材といえるでしょう。


2-3.UX・UIデザイナー

DX人材としてのUX・UIデザイナーは、デジタルツール・Webサイトの利便性やユーザーの満足度を高めるデザインの制作を担います。UIデザイナーとUXデザイナーはそれぞれ役割が異なります。


UIデザイナーは、主にプロダクトの機能性を向上させ、利便性を高める役割です。例えばアプリでは、タップしやすいアイコンの位置や視認性のよいデザインの設計などが挙げられます。UXデザイナーは、ユーザー体験全体を設計し、満足度を高めることが役割です。DXで新たなデジタルツールを制作する場合、ユーザーが認知・導入・活用する際のすべての体験を最適化します。


そのため、ユーザーの心理を深堀りし、正確にニーズを捉えられる能力が求められます。実際のプロダクトの品質を左右する要素なので、UX・UIデザイナーは非常に重要な役割といえるでしょう。


2-4.アーキテクト

DX人材としてのアーキテクトは、システムやソフトウェアの全般的な構造の設計などが主な役割です。経済産業省と情報処理推進機構がまとめた「DX推進スキル標準」では、以下のように定義されています。


「DXの取組みにおいて、ビジネスや業務の変革を通じて実現したいこと(=目的)を設定したうえで、関係者をコーディネートし関係者間の協働関係の構築をリードしながら、目的実現に向けたプロセスの一貫した推進を通じて、目的を実現する人材」


具体的な業務内容は、ビジネスデザイナーなどによって具体化されたDX戦略を、自社に最適な形で設計することです。これには、要件定義やインフラ構築、セキュリティ対策なども含まれます。安定したDX戦略を推進するためには、アーキテクトによる拡張性や安定性の高いシステムの設計が重要です。



2-5.エンジニア・プログラマ

エンジニア・プログラマは、デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材のことです。アーキテクトが設計したシステムを実装し、正確に動作するプログラムの開発・運営を行います。


スキルの高いエンジニア・プログラマがDXに取り組むことで、プロジェクトのスピードアップや堅牢性の高いシステムの構築が可能です。反対に、エンジニア・プログラマのスキルが低いと、優れたアイデアやプロジェクトでも思うように実装できないかもしれません。


多様なDX施策に対応するために、多くのプログラミング言語を身に付けた専門性の高いエンジニア・プログラマは非常に重宝されます。


2-6.データサイエンティスト・AIエンジニア

データサイエンティスト・AIエンジニアのDXにおける役割は、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材とされています。


データサイエンティストは、ビッグデータの解析や機械学習の活用を通じて、企業に有益なインサイトや予測モデルを提供する職種です。分析・統計に関する知識やデータを可視化するスキル、機械学習や統計モデリングのスキルが求められます。


AIエンジニアは、データサイエンティストが提供するインサイトをもとに、AI技術を活用した製品やサービスの開発・運用を行います。AIの専門知識やプログラミングスキル、数学的な知見や論理的思考能力が求められるでしょう。


両者が力を発揮することで、データから価値を引き出し、競争力の高いプロダクトの構築を実現できます。


3.DX人材に求められるマインドセット

DX人材に求められるマインドセットは以下の6つです。

  • 現状打破への挑戦

  • 課題を見つける

  • 諦めずにやり遂げる

  • 臨機応変に対応する

  • 周囲を巻きこむ

  • 探求を続ける

すべての職種に共通する重要な要素なので、ぜひお役立てください。


3-1.現状打破への挑戦

DXは現状のビジネスモデルを大きく変革させるような取り組みなので、DX人材には現状を打破するマインドセットが重要になります。なぜなら、新しい技術やツールの導入、既存のビジネスプロセスの見直し、部門や企業間を横断した協力体制の構築などを実現しなければならないからです。


DXは変化を避けていては務まらないため、積極的に現状打破へ取り組めるマインドセットが必要といえます。


3-2.課題を見つける

DXは自社の課題を把握することから始まります。そのため、DX人材はさまざまな角度から課題を見つけだすマインドセットが必要です。例えば、データの活用により今まで見えなかった課題を発見したり、競合企業の取り組みや業界動向から新たな課題を発見したりします。


DXを効果的に行うには、多くの課題を発見し、多角的な視点でDX戦略を構築することが重要です。そのためにも、積極的な課題の発見はDX人材に求められるマインドセットといえます。


3-3.諦めずにやり遂げる

DXにはさまざまな障壁があるため、諦めずにやり遂げるマインドセットが必要です。具体的には、社内の各部門との意見の食い違いや、その他ステークホルダーの説得などが挙げられます。外部要因による影響が大きく、思うようにプロジェクトが進まない、成果につながらないことも多いでしょう。そのようなときでも、軌道修正をしながら何度もチャレンジできる力がDX人材には必要です。


また、DXの取り組みは長期に渡るケースが多く、途中で諦めてしまう企業も多く存在します。そのため、適切なKPI設定やモチベーションを持続させる工夫ができることも、DX人材に重要な要素です。


3-4.臨機応変に対応する

大規模なプロジェクトになりがちなDXには、想定外の出来事がつきものです。導入したツールをうまく活用できなかったり、採用した人材が役割を果たしていなかったりなど、多くの問題が発生します。その都度、軌道修正しながら臨機応変に進めなければなりません。


当初の計画に固執していては、変数の多いDXのプロジェクトを適切に実施できないため、計画通りに進まない場合は臨機応変に対応できるDX人材が求められます。


3-5.周囲を巻きこむ

DXは社員全員に関わることなので、多くの人を巻き込めるマインドセットを持つDX人材が求められます。周囲の力を借りることが苦手なリーダーでは、自分の負担が大きくなることに加え、相乗効果が生まれにくいというデメリットがあります。


もし、周囲を巻き込むことが苦手な場合は、まず各部門に在籍する社員の特性やスキルセットを把握することから始めてみましょう。周囲をうまくプロジェクトに巻き込めるDX人材は、より多くのアイデアを創出できたり、効率的にDXを進められたりします。


3-6.探求を続ける

DXは一度の取り組みで完結するものではありません。そのため、DX人材には継続的な探究心を持ち続けるマインドセットが求められます。市場や経営戦略の変化、テクノロジーの進化などに迅速に対応することが重要です。


具体的な取り組みとしては、新たなデジタルスキルの習得や、AI、データ解析などによる新たなビジネスの創出などが挙げられます。また、DXに成功したとしても、継続して課題を見つけ出し、改善の取り組みを続ける姿勢も大切な要素です。このように、DX人材にはテクノロジーの進化に対応できるマインドセットが重要になります。


4.DX人材に求められるスキル

DX人材に求められるスキルは以下の4つです。

  • IT関連の基礎知識

  • データの扱い方、活用法

  • UI・UX志向

  • プロジェクトマネジメント

それぞれの概要や重要性を解説します。


4-1.IT関連の基礎知識

DX人材にはIT関連の基礎知識が欠かせません。プロデューサーやビジネスデザイナーなどは、プロジェクトの設計や統括などが主な役割ですが、ITの知識がないと無理のある設計をしてしまう恐れがあります。また、各部門の担当者とやり取りをする際にも、スムーズなコミュニケーションを取ることが難しいでしょう。


具体的には、プログラミング言語、データベース、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど、幅広いIT技術に対する理解が求められます。また、DXのために新しいシステムの導入を検討している際、プログラミング言語の違いや適切なデータベースの選択がシステムの性能やコストに影響を与えるため、IT関連の基礎知識が重要となります。


4-2.データの扱い方、活用法

適切なDXの推進には、データの分析・活用が欠かせません。なぜなら、蓄積したデータはDXの原動力であり、その効果的な活用が企業の競争力を高めるDX戦略につながるからです。具体的には、データの効率的な収集・整理・可視化・分析などが挙げられます。データに基づいて意思決定をするためには、データサイエンティスト以外でも一定の知識を備えておいたほうがよいでしょう。


データを活用するスキルが乏しい場合、従来の勘や経験に頼った意思決定をしなければなりません。それでは、さまざまな要素を内包するDXを正しく進めることは困難です。データ量は今後ますます増加すると考えられます。有効利用するためにも、データ活用の知識は必須スキルといえるでしょう。


4-3.UI・UX思考

ユーザー中心の設計を基本として課題解決を行うUI・UX思考(デザイン思考)は、DX人材に重要なスキルです。その理由は、いくら優れたプロダクトを作っても、利用する人が使いづらければ浸透しないからです。例えば、分かりづらいUIのアプリを開発すると、ユーザーはストレスを感じ、企業へのロイヤルティは低下するでしょう。また、UIがよくても、購入までの経路や問い合わせの方法などの、UXに関わる部分の質が悪くても同様です。


ユーザーニーズを捉えるという意味を持つUI・UX思考は、UI・UXデザイナー以外の職種にも必要です。エンジニアやビジネスデザイナーであっても、ユーザー目線でプロダクトを作ることには変わりありません。DX人材として活躍したいのであれば、UI・UX思考を身に付けておいて損はないでしょう。


4-4.プロジェクトマネジメント

DXは部分的な変革ではなく、ビジネスモデルや社内の体制が変わるようなインパクトの大きな取り組みです。さまざまなステークホルダーと関わることになり、各所で調整作業が発生します。そのため、プロジェクトを円滑に進められるプロジェクトマネジメントのスキルが重要です。また、短期間でPDCAを回すアジャイル開発に取り組む際は、特に高いプロジェクトマネジメントスキルが求められます。


具体的なスキルとしては、タスクの優先順位付けや進捗管理、リスク管理、予算管理などです。各業務を適切に管理することで、大規模なDX施策にも対応できるでしょう。


5.まとめ

DXを推進するには、DX人材の育成・確保が欠かせません。各職種で優れたスキルやマインドセットを持つ人材を集結することで、効果的なDXを実現できます。


とはいえ、日本におけるDX人材の不足は深刻です。「よい人材が見つからない」という企業の担当者さまも多いでしょう。人材確保に課題を感じているのであれば、DX人材の育成・確保をサポートする「株式会社ココエ」にご相談ください。


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