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カスタマージャーニーの考え方、効果的な施策のためのマップ作りと活用方法を解説

更新日:2023年6月14日


カスタマージャーニーとはマーケティング用語の1つで、顧客が製品やサービスを知り、契約や購入に至るまでの思考や行動の道筋を旅に例えたものです。最近は、消費者の価値観や好みが多様化していおり、商品・サービスの購入までの顧客体験は複線化しています。


そこで、消費者に自社のサービスや商品のファンになってもらうためには、顧客がたどる体験のプロセスを把握し、適切なタイミングで適切な情報を提供することが不可欠です。とはいえ、カスタマージャーニーの概念や活用法について十分に理解していない企業や担当者も多いのではないでしょうか。


この記事では、以下の内容について詳しく解説します。

  • カスタマージャーニーの重要性

  • カスタマージャーニーマップの作り方

  • カスタマージャーニーマップの有効活用のポイント


ぜひ、自社のデジタルマーケティングに役立ててみてください。



▼目次



1.カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーを有効に活用するために、まずは事前にその概念や重要性について理解しておきましょう。ここでは、カスタマージャーニーの定義と重要性について説明します。


1-1.カスタマージャーニーとは顧客の購入までのプロセス

カスタマージャーニーとは、直訳すると「顧客の旅」であり、顧客が製品・サービスの契約や購入に至るまでのプロセスのことです。商品やサービスの販売促進のために、それらの購入や利用が期待できる顧客の人物像を特定し、その行動や思考、感情を分析することで、商品やサービスの認知から購入や利用へ至るシナリオを時系列で捉える考え方を意味します。


1-2.カスタマージャーニーが重要になる背景

SNSや比較サイト、口コミサイトといったさまざまなメディアが発達したことで、消費者によって企業や、その商品やサービスを容易に評価できるようになりました。


同時に、顧客が商品やサービスを認知する接点も増えているため、販売促進や自社のブランド化の効果を上げるには、顧客が購買に至るまでの行動や心理を深く理解することが重要になります。


また、顧客の好みや価値観も多様化しています。顧客の行動や思考を把握し、適切なタイミングで、購入につながる必要な情報を顧客に提供するには、戦略を立てる必要があります。それには、カスタマージャーニーのフレームワークが有効なのです。


2.カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーという言葉とともによく使われる「カスタマージャーニーマップ」。マーケティングの戦略を立てる上で、とても役に立つツールです。ここでは、カスタマージャーニーマップとは何か、それを利用する意味や目的も合わせて、詳しく解説していきます。

2-1.カスタマージャーニーマップとは顧客の購入プロセスを可視化したもの

カスタマージャーニーマップとは、見込み客が商品やサービスを認知してから、実際に購入に至るまでの、一連の思考や行動のプロセスを図式化したものです。


消費者の趣向や思考が多様化している現在の状況では、全ての人の思考や行動を予測するのは困難です。カスタマージャーニーをマップにして可視化することで、多様な思考や価値観を持つ顧客の心理や言動、その裏にあるインサイトなどを把握しやすくなります。


2-2.カスタマージャーニーマップを作る目的

カスタマージャーニーマップを作る主な目的としては、以下のことがあげられます。

  • 具体的な顧客像と、その購買行動や心理などの認識を組織内で統一すること

  • 効果的なマーケティング施策のための議論を行うベースを作ること


会社であれば、商品やサービスの購入につなげるための施策を、全て一人で担当するケースはまれです。商品開発や広告宣伝、営業、店頭スタッフなど多くの関係者との議論を通じて施策を練る必要があります。


カスタマージャーニーマップは、関係者全員で作成を進めることで、組織内でズレが生じていたかもしれない認識を統一し、共有できるようになります。その結果、組織内で意識を合わせた行動や対策をとりやすくなるのです。


また、顧客の感情や行動が可視化されると、どの段階でどのような課題があるのかが、明確に見えてきます。施策の抜け漏れや目的のずれを発見するのにも役立つので、効果的なマーケティング施策の考案をしやすくなるでしょう。


3.カスタマージャーニーマップを作ることの3つのメリット

カスタマージャーニーマップを作ることでメリットがあります。ここでは3つのメリットについて、以下で詳しく解説します。

  1. 顧客の視点を想定できるようになる。

  2. 複雑化する顧客の購買坑道を理解できる。

  3. 組織内で顧客認識を共有して施策を取りやすい。


3-1.顧客の視点を想定できるようになる

商品やサービスの開発、販売において、顧客目線で行うことは重要です。カスタマージャーニーマップを作成するときは、顧客が商品やサービスと出会う段階から、最終的に購入する段階までのそれぞれのステップで、顧客がどのような心理で、どのような行動をとるのかなど考えることになります。そうすることで、売り手目線では気が付きにくいさまざまな点を感知でき、商品やサービスの見直しにも活用できるのです。


3-2.複雑化する顧客の購買行動を理解できる

企業から発信される広告や宣伝以外にも、口コミやSNSの書き込みなど商品やサービスに関する情報は多様にあるため、顧客は購買に至るまでに検索したりレビューを見たりと自身で調査をし、吟味します。


そのため、購買行動は複雑になっていますが、カスタマージャーニーマップを作成すると、顧客の行動を可視化し、行動の背景にある思考や課題に気づきやすくなるのです。


見込み客全ての行動や感情を予測するのは困難ですが、口コミサイトやSNSなど、商品やサービスに対する率直な感想や意見といった消費者の情報は、かなり手に入りやすくなっています。それらを有効に活用することで、一人一人の顧客の行動や感情の仮説を立てやすくなっています。


3-3.組織内で顧客認識を共有して施策を取りやすい

商品やサービスの販売促進のための施策を進めるとき、多くの企業では、広告、オフライン施策、SEOなど部署の垣根を越え、適切な施策を進めています。顧客の購買までのステップを一枚に表したカスタマージャーニーマップは、その施策を設定する前提となるものであり、これを活用することで、施策に関わるスタッフ全員で意識や認識を合わせやすくなるのです。


認識を共有できると、関係者間の相互理解やコミュニケーションの円滑化も期待でき、より効果的な施策の発案や実行がスムーズになります。


4.カスタマージャーニーマップの作り方の6つの手順

スタマージャーニーマップを作る前に、その手順を理解しておきましょう。ここでは、手順を6つのプロセスに分けて詳しく解説します。


カスタマージャーニーマップの作り方

  1. ゴールを設定する。

  2. ペルソナを設定する。

  3. 横軸=「ペルソナの購買行動のフェーズ」を設定する。

  4. 縦軸=「ペルソナの感情や行動、課題や施策など」を設定する。

  5. 顧客の情報を収集する。

  6. 情報をマップに落とし込む。


4-1.ゴールを設定する

「購入に至る」「リピーターを増やす」といったゴールを、まず設定することが大切です。目指すべきゴールによって作成するカスタマージャーニーマップの枠組みが変わってくるからです。


売上アップ、自社のブランディングなど、さまざまなゴールがありますが、それによって想定すべき期間や対策が変わってきます。例えば、企業や商品に強い愛着を抱くコアな顧客である、ロイヤルカスタマーを増やすことがゴールなら、数年単位の過程を描く必要がありますが、キャンペーンからの会員登録であれば数時間、もしくは数日単位での過程を想定します。目指すゴールを明確に設定してから、カスタマージャーニーマップの作成に取りかかりましょう。


4-2.ペルソナを設定する

次にペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、顧客の具体的な特徴を仮想した人物像のことです。ペルソナを設定するときは、性別や年齢だけでなく、趣味や趣向、どのような日常生活を送っているかまで細かく設定するのがポイントです。


ペルソナ設定は、既存の見込み客や顧客の情報が役立ちます。既存顧客から具体的な共通イメージを導き出したり、自社のWebサイトの閲覧履歴のデータを収集して、どのような人がどのページをよく見ているのかといった分析などをして、ペルソナを設定します。


新規商品やサービスの場合は、競合の顧客をリサーチ、分析して、具体的なペルソナを設定しましょう。


【ペルソナとターゲットの違い】

マーケティングでは、ターゲットやペルソナといった混同しやすい用語が出てくるため、両者の違いを明確に理解しておきましょう。ターゲットとは、性別や年齢、居住地、消費行動といった、自社が求める集団の属性のことです。


一方で、ペルソナとは自社の商品やサービスを利用してくれそうな、顧客像を作りこむことです。ターゲティングを行ってから、ペルソナ設定するといった手法が広く使われています。


【ペルソナの例】

ペルソナを設定するときには以下の要素などを設定します。

  • 年齢

  • 性別

  • 職業

  • 居住地

  • 家族構成

  • 配偶者の有無

  • 最終学歴

  • 趣味

  • 年収

  • 利用頻度の高いSNS

  • 悩み


これらはあくまでも一例で、他の項目が含まれることもあります。以下にペルソナ設定の具体例を挙げます。


事例1

  • 性別:女性

  • 年代:20代

  • 職業:会社員

  • 居住地:東京

  • 趣味:ファッション

  • 年収:200万円


事例2

  • 性別:女性

  • 年代:30代

  • 職業:大手人材派遣会社勤務

  • 家族構成:夫と5歳の息子

  • 居住地:東京都港区在住

  • 年収:530万円


4-3.横軸=「ペルソナの購買行動のフェーズ」を設定する

カスタマージャーニーマップの横軸には、ペルソナの購買行動の段階を示す項目を設定します。項目を設定することで、消費者の購入までのプロセスの状況を把握しやすくなります。


横軸の内容は、決まっているわけではありませんが、以下の4つが設定されるケースが多く見られます。


認知

顧客が商品やサービスを認知した状態。


情報収集、比較検討

顧客が商品やサービスについて情報を収集し、他のサービスや商品と比較検討した状態。


体験・購入

サービスや商品を実際に体験、購入した状態。


購入後

商品やサービスを購入した後の状態。


商品やサービス、目的によって必要な項目が変わることがあるので、状況に合わせて変更してもかまいません。


【横軸の例】

横軸の例をここで紹介します。ファッション雑貨を販売している店を例にして、リピーターを増やすことをゴールとしたときの、カスタマージャーニーマップの横軸を以下に表しています。


4-4.縦軸=「ペルソナの感情や行動、課題や施策など」を設定する

縦軸には、ペルソナの感情や行動、課題、施策といった内容を設定します。横軸で設定したゴールまでのステップごとに、詳しく分析をしたい内容を入れると良いでしょう。


行動

実際に消費者がとる行動。


タッチポイント

顧客と商品やサービスが接触する場所やツール。


思考

顧客が行動の際に考えること。


感情

行動を起こした顧客が感じたこと。


課題

顧客が行動した結果、抱いた不満や不足していた点。


最初に設定したペルソナが、購入に向かってどのような行動を起こし、何を考えて感じたのかを導き出し、それに対する課題を洗い出します。上記の5つの項目はあくまでも一例で、自社の状況や目的に合わせて、臨機応変に設定しましょう


【縦軸の例】

ファッション雑貨店の、カスタマージャーニーマップの縦軸の例を紹介します。

・行動

・タッチポイント

・思考

・インサイト


4-5.顧客の情報を収集する

縦軸と横軸が設定できたら、顧客の行動と感情を整理してみましょう。先に一例として紹介した「認知」「情報収集・比較検討」「体験・購入」「購入後」の4つの過程における顧客の行動と感情を整理したものを、以下で例として紹介します。


認知

SNSで数量限定のおしゃれなバッグを発見。(行動)

流行のデザインでしかも数量限定なので欲しい!(感情)


情報収集・比較検討

他に似たようなデザインのバッグがないかリサーチ。口コミもチェック。(行動)

他の商品もおしゃれだな、でもちょっと高いな。(感情)


体験・購入

実際に店舗に行ってバッグを購入。(行動)

実物を見て欲しいという気持ちがさらに強くなった。(感情)


購入後

同じブランドの他の商品もチェック。(行動)

友達にバッグを褒められてとてもうれしい。(感情)


4-6.情報をマップに落とし込む

縦軸と横軸に必要な情報を収集できたら、情報をマップに落とし込みましょう。以下は、ファッション雑貨店のカスタマージャーニーマップの作成例です。


5.カスタマージャーニーマップを有効活用する5つのポイント

カスタマージャーニーマップを作成したら、マーケティングの施策を立てるために、できるだけ上手に活用したいですよね。ここでは、カスタマージャーニーマップを有効活用するポイントを5つ紹介します。


カスタマージャーニーマップ活用のための5つのポイント

  1. 1人のペルソナに対して1つのカスタマージャーニーマップを作成する。

  2. 企業の憶測ではなく顧客の声を落とし込み可視化する。

  3. 組織内での顧客像や課題について共通意識を固める。

  4. 俯瞰することで隠れていた課題を洗い出す。

  5. 定期的にカスタマージャーニーの内容を最適化し改善策を立てる。


5-1.1人のペルソナに対して1つのカスタマージャーニーマップを作り深く理解する

カスタマージャーニーマップを、より質の高いデータとして活用するためには、1人のペルソナに対して1つのマップを作成し、深く掘り下げることが大切です。


実際に商品やサービスの購入や利用を検討している人、既に購入や利用している人の2パターンの人を参考にして、ペルソナを想定するのが一般的です。実際の見込み客や顧客をペルソナに設定することで、商品やサービスを認知していない段階から、ファンになるまでの過程を確認しやすく、有用なデータとなるのです。

5-2.企業の憶測ではなく顧客の声を落とし込み可視化する

マーケティングの基本は消費者目線です。カスタマージャーニーマップを作成するときには、企業の思惑を入れ込んで、顧客の行動や感情を変容させないよう気をつけましょう。


担当者は、商品やサービスの開発や販売で、こだわったポイントや苦労をよく理解しているため、「これに共感してほしい」といった願望を少なからず持っているものです。しかし、企業の願望が反映されたカスタマージャーニーは、現実に合っていないものになり得ます。


実態に沿ったマップを作成するためにも、消費者の意見や声をしっかりとヒアリングするなどして、客観的な調査データに基づいて作成することが重要です。


5-3.組織内での顧客像や課題について共通意識を固める

カスタマージャーニーマップは、同じ目的を持ったチーム全体で、ターゲットとなる顧客像や課題を的確に認識し、共有するものです。


部署やスタッフによって目的や業績指標などが異なるケースがあるため、認識や課題が十分共有されず、施策全体にブレが生じるリスクが高まります。カスタマージャーニーマップの共有により、組織全体の認識のズレを解消できれば、部署や組織間を超えた連携がスムーズになり、質の高い施策の検討や立案につながるでしょう。


5-4.俯瞰することで隠れていた課題を洗い出す

カスタマージャーニーマップは、顧客の購入に関する一連の行動や感情を俯瞰して、可視化することが可能です。


顧客が商品購入に至るまでのプロセスは複雑ですが、カスタマージャーニーマップにまとめることで、プロセスのステップごとに、シンプルに分解して考えることができます。それによって、顧客について深く分析することができ、隠れていた課題を見つけやすくなるというわけです。


マーケティングの予算や人的リソースにも限りがある企業がほとんどでしょう。マップによって優先的に取り組む施策を適切に選択し、集中して実施できれば、限られたリソースでも効果的な成果をあげられます。


5-5.定期的にカスタマージャーニーの内容を最適化し改善策を立てる

カスタマージャーニーは何年も使い続けるものではありません。競合他社の動きやトレンドなど、消費者を取り巻く環境やニーズは常に変化しているため、定期的に見直す必要があるからです。


例えば、感染症の拡大という変化が起こったとき、消費者は外出を控えて、店頭ではなくネットショップからの購入を試みる人が増えました。このとき、情報収集から購入までのタッチポイントは店舗ではなく、ECサイトメインに移行したと予測できます。もし、ECサイトのアクセス数が増えているのに売上が伸びないとき、サイトの利用しづらさがあるなど課題が見えてくるはずです。


このように、生活を取り巻く環境の変化やそれに伴う消費者の行動や感情の変容によって、ニーズは変わってくるため、それを的確に把握するために定期的な見直しが欠かせないのです。


6.カスタマージャーニーは多様化する顧客を理解するツール

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスの購入に至るまでの行動、感情、思考などのプロセスを可視化したものです。顧客の価値観やニーズの多様化だけでなく、顧客と商品・サービスとのタッチポイントが増え、認知から購入までのプロセスが複線化していることから、カスタマージャーニーマップの重要性が高まっています。


しかし、マップを作成するのが目的ではありません。効果的に活用するポイントを理解し、定期的な見直しを行って、マーケティングの成果につなげましょう。カスタマージャーニーマップの作成や活用、またはWebマーケティング全般でお悩みの企業様・ご担当者様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。


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