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カニバリゼーションとは?特定・対策方法や原因を解説

更新日:2023年6月8日


カニバリゼーション(cannibalization)とは英語で「共食い」のことですが、マーケティング用語としては、自社の店舗・商品・サービス同士で顧客を奪い合っている状態、自社サイト内でコンテンツ同士が邪魔しあう状態を指すときに使われます。


特に自社サイト内でのキーワードのカニバリゼーションでは、SEOで不利になるなどさまざまなデメリットが生じてしまいます。カニバリゼーションが起こらないようにするためにも、マーケティング担当者が発生原因や対策を理解しておくことが大切です。ここでは、SEO効果を高めるために覚えておきたいキーワードのカニバリゼーションについて、以下の4点を中心に詳しく解説します。

  • 発生原因

  • デメリット

  • 特定方法

  • 対策


マーケティング担当の方は今後の業務の参考にしてみてください。



▼目次



1.カニバリゼーションとは

カニバリゼーションとはマーケティング用語の1種で、同じ企業の製品や店舗同士で顧客を奪い合うことです。共食いを意味する英単語の「cannibalization」が語源で、「カニばる」と略して呼ばれることもあります。特に、同じサイト内で複数のページが同じキーワードで競合することで、検索エンジンの判断を混乱させる状態を「キーワードカニバリゼーション」と言います。この記事では、カニバリゼーションのなかでも「キーワードカニバリゼーション」に着目します。


自社サイトにおいてSEOをしているにもかかわらず、順位が安定しなかったり上位表示されなかったりするのは、カニバリゼーションが原因かもしれません。SEOの効果を上げるためには、カニバリゼーションを理解し、必要に応じて適切な対策をとることが大切です。



2.カニバリゼーションが起こる原因

カニバリゼーションの適切な対策をとるためにも、カニバリゼーションが起こる原因を押さえておきましょう。ここでは、カニバリゼーションが起こる主な2つの原因を解説します。


2-1. 同じコンテンツを含むページが複数ある場合

同じコンテンツを含んでいるページが複数あると、カニバリゼーションが起こります。特に、検索ユーザーの検索目的が一致するコンテンツにおいて、カニバリゼーションが起こるリスクが高くなるため注意が必要です。


例えば、製品に関する説明ページと製品の仕様ページが別々に作成されていたとします。ターゲットとするキーワードやコンテンツの構成が異なっていたとしても、どちらの記事も製品に関する情報を求めているユーザーに向けた内容です。


ユーザーの検索目的が同じだった場合、コンテンツの内容も似通ってしまいカニバリゼーションを引き起こすのです。


2-2.サイト内で同じキーワードを過剰に使用する

サイト内で同じキーワードを過剰に使用するとサイト内で複数のページが同じキーワードで競合し、カニバリゼーションが起こりやすくなります。キーワードが含まれている箇所の例を以下に挙げます。


  • タイトル

  • 見出し

  • メタディスクリプション

  • 本文

  • アンカーテキスト

  • 画像の説明文のaltタグ


キーワードが完全に一致していなくても、類似していればカニバリゼーションを起こす原因になり得ます。SEOのために過剰にコンテンツ内にキーワードを入れると、却って逆効果となることがあるため注意が必要です。



3. カニバリゼーションがもたらすデメリット


カニバリゼーションが起こることでSEOの効果が半減します。カニバリゼーションがもたらすデメリットについて具体的に解説します。


3-1.検索順位が落ちる

カニバリゼーションが起こると自社サイトをGoogleに正当に評価してもらえず、検索順位が落ちる原因になります。検索結果に自社サイトの複数のページが表示されたり、検索するタイミングによって表示されるページが変わったりするのは、検索エンジンが適切な判断ができていないからです。


サイト内に同じキーワードや似通ったコンテンツが含まれているページが複数あると、キーワードをどのコンテンツで検索結果に表示させるか、検索エンジンが判断できなくなります。検索エンジンの評価が分散することにより、検索順位が落ちる可能性が高くなるのです。


3-2. コンバージョン率が低下する

カニバリゼーションは、コンバージョン率を低下させる原因になります。コンバージョン率とは、サイトにアクセスしてきたユーザーのうち、どれだけの人がお問い合わせや商品購入といった目標とするアクションを起こしたかを示す割合のことです。


カニバリゼーションを起こしている複数のページにおいて、コンバージョン率が高いコンテンツと、コンバージョン率が高くないコンテンツが存在していたとしましょう。コンバージョン率に関係なくどちらのコンテンツも検索結果に表示されてしまうと、同じ自社サイトの記事同士が競合する状態となります。そうなると、1つの記事にコンバージョンを集中させることができず、結局それぞれの記事のコンバージョン率が低下しビジネスチャンスを逃すということが起こり得るのです。



コンバージョン率(CVR)について詳しく知りたい方はこちら



4.カニバリゼーションの3つの特定方法



カニバリゼーションは意図せず起こっている可能性があるため、できるだけ早く見つけて対策をとるのが望ましいです。ここでは、カニバリゼーションを特定する方法を3つ詳しく解説します。


4-1. Google Search Consoleを使って確認する

Googleが提供している無料のウェブマスターツール、「Google Search Console」を使うと、カニバリゼーションを特定しやすくなります。Google Search Consoleの使用手順を紹介します。


  1. Google Search Consoleの管理画面の左側にある「検索結果」を選択します。

  2. 画面上部にある「+新規」をクリックして「検索キーワード」を選択します。

  3. カニバリゼーションを起こしているかどうか調べたいキーワードを入力して「適用」をクリックします。

  4. 画面下部の「ページ」を選択します。


該当する検索キーワードで検索されたときに、実際に表示されたページ一覧が結果として表示されます。SEOをしているコンテンツ以外のURLが表示された場合、そのページに対して適切な対策が必要です。


また、カニバリゼーションの有無をチェックするときは下記のようなページを中心に優先順位を付けてチェックすることで、効率良く作業が進みます。


  • 検索順位が安定しない

  • 意図しないページが上位表示される

  • 良質なページなのに上位表示されない


Google Search Consoleの使い方や機能を詳しく知りたい方はこちら


4-2. 「site:[ドメイン] [キーワード]」でGoogle検索

「site:」というGoogle検索のコマンドを利用することで、カニバリゼーションの有無をチェックしてみましょう。検索する際のフォーマットは「site:example.com テキスト」で、「example.com」の部分にカニバリゼーションが発生していないかどうかを確認したいドメイン、「テキスト」の部分にキーワードを入れます。


この方法で検索をすることで、指定したドメインページのなかでのみキーワードを検索をしてくれます。あるキーワードの検索結果を見て、自社がそのキーワードで上位表示させたいページが最上位に表示されなかったときは、カニバリゼーションを起こしている可能性を疑いましょう。


「site:」コマンドを利用した調査は簡易的なため、カニバリゼーションが疑われるときは、Google Search Consoleを使ってより詳しく確認することをおすすめします。


4-3.Ahrefsを使用する【有料】

有料ツールであるAhrefs(エイチフレス)を使い、簡単にカニバリゼーションを特定できる方法があります。


Google Search Consoleとは異なり、Ahrefsは一括でサイト内のカニバリゼーションをすべて抽出できるのが大きな特徴です。その利用方法を解説します。


  1. Ahrefsの管理画面より【サイトエクスプローラー】、【オーガニックキーワード】を表示させる

  2. 調査に使用する専用のスプレッドシートをAhrefsの公式ブログよりダウンロードする

  3. 調査したいデータをエクスポートして専用のスプレッドシートにインポートする

  4. 検索結果から重複しているキーワードとURLを確認できるため、必要に応じてカニバリゼーションの対策をしましょう。



5. カニバリゼーションの4つの対策方法



カニバリゼーションが起こっていることを確認できた場合、速やかに適切な対策をとりましょう。主なカニバリゼーションの対策として以下の4つを紹介します。

  • 類似ページを統合する

  • 内部リンクを最適化する

  • 301ページリダイレクトを活用して統合する

  • noindexタグでクローラーをブロックする


5-1. 類似ページを統合する

重複しているコンテンツや類似ページが複数ある場合は、統合するか不要なページを削除します。削除するコンテンツを判断するときの判断基準は以下の2点です。


  • 被リンクを受けていない低評価のコンテンツ

  • 情報が古いコンテンツ


上記のようなコンテンツがサイト内にあると自社サイトが低評価を受ける要因となるため、削除や統合することをおすすめします。コンテンツを作成する際には、1つのニーズに対して1つのコンテンツを意識することで、カニバリゼーションの発生を避けられます。


5-2. 内部リンクを最適化する

サイト内のコンテンツ同士を関連づけする内部リンクを最適化することが、カニバリゼーション対策になります。それは、Googleが内部リンクを参照してページの重要度を判断するからです。内部リンクが集中しているページほどGoogleが重要なページと認識して、正当な評価をしてくれるでしょう。


似通った内容のコンテンツや重複するキーワードを含むページが複数ある場合、上位表示させたいコンテンツを決めます。他のコンテンツから上位表示させたいコンテンツに内部リンクを貼ることで、Googleに評価してほしいコンテンツをアピールできます。


ただし、内部リンクの貼りすぎは逆効果となる可能性があるため、文章中の関連する内容のみに内部リンクを貼るのがポイントです。


5-3. 301ページリダイレクトを活用して統合する

301ページリダイレクトとは、ウェブサイト上で旧ページのURLを新ページのURLに自動的に転送する方法のことで、検索エンジンやユーザーが旧ページから新ページにアクセスした際に、新ページの評価やアクセス数を引き継ぐことができます。


有効でないコンテンツを有効なコンテンツに恒久的に転送する301ページリダイレクトを設定することで、それぞれのコンテンツのGoogleからの評価や被リンクを集約できます。また、コンテンツを削除した際に発生する404エラーの表示リスクも減らせるため、コンテンツが高評価を受ける可能性を高められるのです。


例えば、カニバリゼーションを起こしているAとBの2つのコンテンツがあった場合、有効でないコンテンツBに301ページリダイレクトを設定すると、コンテンツBのユーザーが自動的にコンテンツAに流入します。評価や被リンクも集約できるため、301ページリダイレクトはSEOにも効果的です。



301リダイレクトの設定方法やメリットについて詳しく知りたい方はこちら


5-4. noindexタグでクローラーをブロックする

Googleに評価してほしくないページにnoindexを設定し、Googleがサイト内の情報をチェックするクローラーをブロックする方法もあります。カニバリゼーションを回避したくても、サイトとして残しておきたいコンテンツもあるでしょう。


削除すればサイト内から完全に消えてしまいますが、noindexを設定すればGoogleからの評価対象とならず、コンテンツもサイト内に残せるのです。


noindexは、HTMLのhead内に<meta name=”robots” content=”noindex”>と入力することで設定できます。noindexは、コンテンツの本文のリライトやtitleタグを変更するなど調整をしたうえで設定することをおすすめします。



noindexの設定方法や注意点について詳しく知りたい方はこちら



6. カニバリゼーション対策でSEOを向上させよう

同じニーズに対して複数のコンテンツが存在していると、自社サイト内で競合が発生するカニバリゼーションを起こしやすくなります。カニバリゼーションが起こると、Googleよりサイトが低評価を受ける要因となり、SEOの効果が出にくくなります。


キーワードをリサーチする段階でカニバリゼーションが起こらないように対策するべきですが、長期間サイトを運営しているとカニバリゼーションを起こすリスクが高まります。


もし、自社サイトの検索順位が低い、検索順位が安定しないといったことが起こったら、カニバリゼーションの有無を調べて適切な対策をとりましょう。


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