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DX推進とは?成功事例を交えてわかりやすく解説

更新日:2023年6月14日


コロナ禍によるテレワーク導入やオンラインビジネスの拡張など、さまざまな目的でDXを推進している企業が増えています。

しかし、DXの漠然とした意味は分かっていても、本質までは理解できていないという方も少なくありません。


この記事を読めば、以下の内容が理解できます。

  • DXの本質的な意味

  • DXとIoT、ICTの違い

  • DX推進の背景と日本企業の現状

  • DX推進における企業の成功例


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▼目次



1.DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXはビジネス領域の用語として新聞やメディアなどでよく使われますが、本来はもっと広い意味を持っています。ここでは、DXの本質的な意味を解説し、あわせて混同しがちなIoT、ICTとの違いを解説します。


1-1.DXの本質的な意味

DXとは、デジタル技術の活用によって生活をより良いものにしていく取り組みです。DXは「Digital Transformation」を略した用語で、直訳すると「デジタルによる変容」です。英語の頭文字をつなぐと「DT」になるように思えますが、「trans-」という英単語は「X」と略されるためDXになります。


本来の意味におけるDXの対象は広範囲です。DXというとデジタル技術を用いたビジネスというイメージがあるかもしれませんが、インフラや行政、経済システムなどさまざまな領域に適用されています。


一方、ビジネス領域におけるDXは、デジタル技術を活用して競争力を維持するための活動です。具体的にはレガシーシステム(旧式で複雑化、ブラックボックス化しているの機器やシステム)の刷新や、オンラインビジネスへの移行などがDXと呼ばれます。例えばWebサイト上においてポップアップ型の広告や、テキストでリアルタイムの会話できるチャットを使ったWeb接客サービスを導入するのはDXの1つです。また、こうした一連の活動はDX推進と呼ばれます。


1-2.DXとIoTの違い

IoTとはカメラやセンサーなどの小さなデバイスがインターネットにつながることです。IoTは「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」と訳されます。


IoTは私たちの生活の身近なところでも使用されています。例えば、スマート家電と呼ばれる遠隔操作できるIoT家電や、人工知能を搭載したスマートスピーカーなどです。IoTデバイスは、あらゆる場所で急速に増えており、製造業や農業、物流など、分野を問わず利用されています。


IoTもDXを実現する手段の1つです。しかし、DXの推進にIoTが必要な場合もあれば、そうでない場合もあります。仮に工場の製造プロセスを自動化したいなら各種のIoTを用いるでしょうが、対面営業をオンライン営業に変えるような場合はIoTがなくても実現できます。


1-3.DXとICTの違い

ICTとはコンピューターやデータ通信にかかわる技術全般を指す用語です。ICTは「Information and Communication Technology」の略で、「情報通信技術」と訳されています。


例えば、インターネットやワイヤレス通信、企業のテレワーク環境、クラウド型の会計ツールなどはICTの一種です。従来は「IT」という言葉が使われていましたが、欧米で一般的なICTという用語にならって、国や企業もICTを使う機会が増えてきました。


ICTはDXを実現する土台です。DX推進のためには、まず社内LANやITツールといったICT環境を整えなければなりません。


あわせて「ICT化(IT化)=自社起点の施策」と「DX=顧客起点の施策」というニュアンスの違いも知っておきましょう。ICT化はコストカット、業務効率化などが重視されますが、DXは顧客ニーズ実現や新たな商品価値の創造など顧客起点で進めます。どちらもデジタル施策ですが、目的が異なるのです。


2.DX推進が必要とされるようになった背景

DXは2021年の某プレスリリースの配信サービスにおいて使用回数がトップになるなど、企業活動のバズワードになりました。なぜこれほどDX推進が注目されるのでしょうか。


ここでは2つの大きな背景として、経済産業省が発表した「2025年の崖問題」とコロナ禍によるリモートワーク普及を解説します。


2-1.経済産業省が発表した「2025年の崖問題」

「2025年の崖問題」とは、日本企業のDX推進が現状のままの場合、2025年以降、2018年比で約3倍となる最大12兆円/年の損失が出る問題です。経済産業省が作成した「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」で発表され、メディアで大きく取り上げられました。(※)


DXレポートでは2025年までにシステム刷新を集中的に推進しなければならない点が強調されています。これをきっかけに、大企業が中心となって本格的にDX推進を行うようになりました。現在は中小企業もDXを積極的に進めています。


2025年を境に損失が急増するのは、3つの要因があります。1つめはDX推進に遅れた企業が競争力を急速に失うと予想されているからです。2つめはレガシーシステム(古い技術や仕組みで構築されているシステム)の維持管理費が高額化すること、3つめはサイバー犯罪や事故の被害が急増するためです。日本全体でDXを加速しなければ、3つの潜在的な問題が2025年ごろに一気に噴出するだろうと警告されています。



2-2.コロナ禍によるリモートワーク

コロナ禍によって事業環境が大きく変化したこともDX推進が必要になった背景です。非対面、非接触が求められるようになり、リモートワーク導入やWeb会議、Web接客といったDXが急速に進みました。先のDXレポートをきっかけにDX推進をしていた企業は主に大企業でしたが、コロナ禍以降、いやおうなく中小企業もDXの必要性を実感するようになっています。


しかし、繰り返しになりますがDXは、事業継続のためのICT化(IT化)ではなく、もっと総合的でポジティブな要素を含んでいます。実際、多様な働き方推進のためにリモートワークを増やしたり、顧客の利便性を高めるためにWebサービスを開始したりする企業が増えているのです。


このことについて経済産業省では、”迅速な環境変化への対応やシステムのみならず企業文化も合わせて変革していくことを企業が取り組むべきDXの本質的な課題と捉えている”と述べています。(※)



3.企業におけるDX推進の現状と課題

多くの企業が、「2025年の崖問題」やコロナ禍による環境変化などを受けてDX推進を急いでいます。しかし、実際のところ成果は上がっているのでしょうか。そこで、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)や経済産業省のレポートにもとづいて、企業におけるDX推進の現状と課題を解説します。


企業におけるDX推進の目的については、下記の記事を参考にしてください。


3-1.DX推進の取り組みは加速している

企業のDX推進は総じて加速しています。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表したレポートによると、有効な診断企業数は2020年305社から2021年486社へと増加しています。これはDX推進に取り組む企業が大幅に増えたことを表しているのです。


また、DXの成熟度を示す指数の平均値も2020年1.60から2021年1.95へと微増しました。なお成熟度は0が「未着手」、1が「散発的実施」、2が「一部戦略的実施」、3が「部門横断的推進」、4が「持続的実施」、5が「デジタル企業」のレベルで評価されています。


企業規模別で分析したときの2021年の特徴は、小規模企業が中規模企業を成熟度の細目で初めて上回ったことです。例えば「事業への落とし込み」「ITシステムの構築」「スピード・アジリティ」などの成熟度は、小規模企業のほうが優れたスコアでした。


この理由についてIPAは、「企業規模が小規模なほど経営者と事業の距離が近く企業風土の変革が比較的容易なため、DX推進が進みやすい」と指摘しています。(※)



3-2.DX推進の課題

多くの企業が抱えているDX推進の課題は3つあります。


1つめはDX人材の育成と確保が進まないことです。DX推進にはデジタル技術に関するスキルだけでなく、経営の知識も求められます。このためDX推進の適任者がみつからない企業が少なくありません。


2つめは顧客起点の考え方と、アジャイル開発(機能単位でトライアル・アンド・エラーのサイクルを回すこと)に慣れていない企業が多いことです。DXではコスト削減や業務効率化などの自社目線の考え方ではなく、顧客目線の発想が重視されます。そして顧客ニーズに柔軟に対応するには、アジャイル開発が必要です。しかし、利益追求型のトップダウン方式を採用している企業などは、これらにうまく適応できません。


3つめはデータの利活用につなげられない課題です。その主な原因はICT環境の整備不足とIT人材の不足です。膨大なデータを解析するにはITツールの導入が欠かせません。そしてデータ分析するにはツールを使いこなせるIT人材も必要です。


これらの課題を解決するには、DX人材の育成が重要です。このため実戦型のDX教育プログラムを提供している外部機関の研修を実施する企業が増えています。


DX人材について詳しくは下記の記事を参考にしてください。


3-3.DX推進にはデジタル技術が必要

DX推進にはデジタル技術の活用が不可欠です。それもパソコンやインターネットといった一般的な技術だけでなく、AIやビッグデータなど先進技術の活用が求められます。なぜならDXとはIPAが述べているように”デジタルテクノロジーを駆使したビジネスの変革”であるからです。(※)



DXに必要なデジタル技術の具体例については、こちらの記事を参考にしてください。


また、経済産業省では、DXの実現について「Connected Industries(コネクテッドインダストリーズ)」という概念を提唱しています。「Connected Industries」とは、テクノロジーが新たな付加価値やビジネスを生み出し、生産性を向上させていく産業の「つながり」です。


「Connected Industries」では、5つの重要分野の取り組みが挙げられています。

  • 自動走行・モビリティサービス:AI人材育成、次世代EV車の普及など

  • ものづくり・ロボティクス:データ形式の標準化、中小企業へのIoT基盤整備など

  • バイオ・素材:協調領域でのデータ共有、AIプラットフォームの構築など

  • プラント・インフラ保安:企業間のデータ協調、規制緩和など

  • スマート・ライフ:ニーズの掘り起こし、企業間のデータ連携など


4.DXを事例でわかりやすく解説

DXをより深く理解するためには、成功事例が参考になります。ここではDXの成功事例を業種別に紹介します。


これらの事例は「DX銘柄2021」にも紹介されている企業の成功事例です。(※)自社に合った施策を行う際の参考にしてください。なお、DX銘柄2021とは、経済産業省と東京証券取引所がDX推進企業をモデルケースとして認定するプログラムです。



4-1.電機メーカーの事例

某電機メーカーは新たな価値を創出するオープンなデータ活用基盤をDXの一環として構築しました。このデータ活用基盤にはOT(制御・運用技術)とIT(情報技術)の分野で培ってきた同社のノウハウが蓄積されています。さらに、同社は自社のデータサイエンティストが他社とシームレスに連携できる仕組みを整え、DXをけん引するデジタル人材の育成も図っています。


例えば同社の先進的な工場の故障予兆検知や運用最適化技術が、デジタルデータで提供されています。これによって同社の顧客は、自社だけではむずかしいDXの課題を短期間で解決できるようになりました。


オープンなデータ活用基盤を構築した目的は、社会のDXをリードする企業になるためです。データ活用基盤を顧客やパートナー会社と共有することで価値創造の相乗効果を促し、社会インフラをDXしたいと述べています。


4-2.食料品メーカーの事例

某食料品メーカーは、マスに対して一律に自社商品をプロモーションする手法に対して、以前から疑問を抱いていました。食を通じてもっとよい生活に変えていく方法は人それぞれであると考えていたからです。


そこで同社が新たに開始したビジネスの1つが、トータルウェルネスサービスです。このサービスでは、IoTデバイスによって顧客の体の状態を可視化したデータをクラウドデータベースに蓄積し、そのデータをもとに健康になる方法をアドバイスしています。


同社は、デジタル技術はあくまでトランスフォーメーションのための手段であると考えています。この方針を自社で共有するために、あえてDXではなく「価値創造」という言葉を使っているそうです。また、ビジネス企画を担当する社員に対しては、データ分析の基礎スキルを身に付ける研修を実施しています。


4-3.空運業の事例

某空運業者では、人財とテクノロジーと融合したDXを推進して、あらゆるCX(顧客体験価値)を高めようとしています。それだけでなくDXによって各部門の人財が生産的、自発的な活動ができるように支援することで、EX(社員体験価値)も向上させています。


具体的には、過去のビジネスプロセスをデジタル化したデータを活用して、個々のニーズ、状況に最適化したコミュニケーションを実現する「パーソナルコンシェルジュサービス」を提供できるようになりました。また、空港、機内サービスのモバイル化を加速させ、コロナ禍以降の非接触・非対面の業務にも対応しています。


社内外の知見や、顧客のあらゆる情報をリアルタイムで参照できるデータ基盤も整えました。これによって各部門の人財が新たなアイデアを生み出したり、質の高いサービスを提供したりしやすい環境になりました。


5.DXを理解し推進することがビジネス成功のカギ

DXによってビジネスを成功させるには、まずDXの本質的な意味を知り、その上でIoTデバイスの活用や、ICTの更新などの具体策に落とし込む必要があります。


しかし、DX人材がいない、デジタル技術を使いこなすノウハウを持っていない、などの理由でDXを推進できない企業も決してめずらしくありません。


人材という課題面に対しては、DX実践にフォーカスしたDX人材育成プログラムを導入することで、効率的・効果的に進めていくこともできます。


ココエの「DX人材育成プログラム」は、e-learning形式でいつでも学ぶことができる「座学」とワークショップ形式の「実践」を組み合わせた実戦型DX教育プログラムです。経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営するデジタル人材育成ポータルサイト「マナビDX」でも「デジタル入門/基礎講座」としてココエのDXリテラシー基礎講座を採用しています。まずは無料体験版からお試しください。


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